金沢の新名所・鼠多門見学と玉泉庵でお抹茶を|金沢・観光スポット

英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。

今回は金沢の新名所・鼠多門、鼠多橋と加賀藩主のお庭・玉泉院丸庭園のリポートです。

新名所・鼠多門と鼠多橋

鼠多門(ねずみたもん)と鼠多門橋(ねずみたばし)は、金沢の新しい観光スポットとして今年2020年(令和2年)7月に完成しました。数年間の調査を経て、史実に基づいてこの度復元されました。

早速完成したばかりの橋を渡ってみました。木のいい香りがします。

橋には能登ヒバ(档・あて)という種類の木を使っています。

能登ヒバは石川県の県木で、鼠多門・鼠多門橋は全体の70%以上を県産の木材を使って建てられています。

鼠多門の歴史

鼠多門は昔から金沢城公園の西側に位置する玉泉院丸(ぎょくせんいんまる)と呼ばれるエリアにありました。

当時は向かいの金谷出丸(かなやでまる・現在の尾山神社)と玉泉院丸の間には水堀があって、その間に鼠多門橋が架かっていました。

いつ建てられたのかは不明ですが、昔の記録によると江戸時代の前期にはもうすでにあったらしく、金沢城が大きな火災に遭った時も焼けることなく、明治時代まで同じ場所に立っていたそうです。

1877年(明治10年)に老朽化した鼠多門橋は取り払われ、1884年(明治17年)にはとうとう鼠多門も火災に遭って焼失してしまいました。

その後、水堀も埋め立てられて、今では舗装され橋の下では車が行き交っています。

なぜ「鼠多」門?

「鼠多門というくらいだから、昔はネズミがたくさんいたの?」という疑問がわいてきそうですが、実はそうではありませんでした。

門の外壁には瓦が貼り付けてあって、隣り合った瓦の間の目地を漆喰で盛り上げてある様子が海に住んでいる海鼠(なまこ)に似ていることから「海鼠壁」と呼ばれています。

その海鼠型の漆喰部分が黒かったことから門全体がネズミ色をしていたのではないかと言われています。復元された海鼠壁は仕上げに墨を混ぜた黒漆喰を使っているそうです。

3Dプリンタで復元された石垣

伝統の建築技術だけでなく現代のテクノロジーを駆使して再現されたのが門の両脇の石垣。

積みやすいように形を整えた石を積む「切石積」という技法を使っています。

よく見ると石垣の中にいくつか年代の違う石が混じっているのが分かります。

実はこの石垣をできるだけ忠実に再現するために、復元前の調査で発掘された古い石が再利用されています。

3Dプリンタで古い石の模型を作って、それをパズルのように組み合わせて(ここはアナログ作業)石の元の位置を特定したのだそうです。気の遠くなるような作業です!

鼠多門の中に入ってみよう

門を潜って、早速門の中に入ってみましょう。鼠多門は木造二階建てになっていて、2階部分は見学スペースになっています。9時から16時半まで、入場料は無料です。

日本の建築技術にびっくり

門の中に入るとここも木のいい香りが!天然のアロマに満たされています!

門の内部は能登ヒバだけでなく、欅(けやき)や杉、松が使われています。

柱の上には建物全体を支える大きな梁(はり)が。釘なしでここまで大きなものを建ててしまう日本の建築技術には驚きです。

回遊ルートマップができました

今回鼠多門橋ができたことで、以前より効率良く市内の観光スポットを巡ることができるようになりました。

これで兼六園から長町武家屋敷跡までの回遊ルートが完成しました。

どちらかといえば金沢は交通機関を使うよりも、あちこち寄り道しながらてくてく歩くのが楽しい街だと思います。

新しくできた回遊ルートマップを持って金沢の街を散策してみてはいかがですか?

玉泉庵(ぎょくせんあん)でお抹茶を

さて鼠多門の見学の後は、すぐ目の前の玉泉庵でお抹茶をいただきましょう。

玉泉庵は金沢城公園の西側にある玉泉院丸庭園にあるお抹茶処です。お庭全体を眺めながらのんびりとお茶がいただけます。

こちらのスタッフさんはとても丁寧で、のんびりとくつろげる私の大好きな場所です。海外からのゲストにもとても人気のスポットです。

玉泉院丸庭園とは

玉泉院丸庭園は17世紀の始め、加賀藩三代藩主前田利常に始まる歴代藩主によって作庭されました。

おもてなし用の兼六園とは違って、当時は藩主のプライベートとして使われたお庭でした。

現在の庭園は北陸新幹線が開業した2015年(平成27年)に復元されました。

お庭の特徴はデザイン性に富んだ石垣や高低差のある立体的な作り、用水の水を引いた池泉回遊の様式です。周囲をぐるりと歩いて散策することもできます。

ひゃくまんさんのお茶碗でお抹茶を

玉泉庵ではお抹茶を石川県のゆるキャラ「ひゃくまんさん」のお茶碗でいただくこともできます!

季節を表した上生菓子は地元金沢のお菓子屋さんによるものです。

この日いただいたのは「秋錦」紅葉を目と口で楽しむのは日本ならではですね!

【まとめ】新名所をお楽しみください!

新名所の鼠多門、鼠多門橋はいかがでしたでしょうか?ぜひ玉泉庵のお抹茶と合わせてお楽しみくださいませ!

これからウォーキングにはもってこいの季節です。私はまたひとつお散歩コースが増えてワクワクしています!

鼠多門・玉泉院丸庭園へのアクセス

いずれも金沢城公園内にあります。金沢城の二の丸から歩いてすぐです。

住所〒920-0918 石川県金沢市丸の内1-1
営業時間9:00~16:30(最終入館:16:00)
アクセス城下まち金沢周遊バス・兼六園シャトル・北陸鉄道路線バス・西日本JRバス「南町・尾山神社」バス停から約3分
まちバス「南町・尾山神社」バス停から徒歩約3分
金沢ふらっとバス材木ルート「商工会議所」バス停から徒歩約2分
ウェブサイトhttp://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/

玉泉院丸庭園内のお抹茶処「玉泉庵」

住所〒920-0937 金沢市丸の内1番1号
電話番号076-221-5008
営業時間午前9時から午後4時30分まで(受付は午後4時まで)
※12:00~13:00の間、清掃のため、入館できません。
※貸切利用時など、入館できない場合があります。
休館日年末年始(12月29日から1月3日まで)
料金抹茶 730円(オリジナル上生菓子付き)
※呈茶の団体予約(10名以上)は直接玉泉庵へお申し込み下さい。
ウェブサイトhttp://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/gyokusen-an/index.html

投稿者プロフィール

fumie
金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。

この記事を書いた人

fumie

金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。