英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。
浅野川にほど近い旧材木町小学校は、私の義父から息子たちまで親子3代が通った小学校です。
少子化のためお隣の味噌蔵小学校との合併が決まり、平成28年3月末をもって143年もの長い歴史に幕を閉じました。
閉校から4年。いよいよその校舎が取り壊されることになり、この度お別れ見学会が行われました。懐かしい学び舎の最後の姿を見届けるため、たくさんの卒業生が集まりました。
親子3世代の卒業生が集まった見学会
我が家のように親子3世代が卒業生という家庭が多いからか、見学会にはたくさんの家族連れが。
息子の同級生のお母さんたちも見かけ、子供たちが通った学校に対する思い入れを感じます。残念ながら主人や息子たちは仕事で来れなかったので、我が家を代表して私が最後の姿を見届けたいと思います。
空っぽになった1年生教室
校舎に入り早速一階の一年生教室へ。今では机も黒板もロッカーも全て取り払われて、がらんとした教室。
うちの息子は二人とも早生まれだったせいか、低学年の頃は何をするにも遅くて、のんびりしていたので、母親の私はいつもヤキモキしていました。ついこないだのことのようです。
一年生教室は中庭とつながっていて、当時ベランダには子供たちの青い鉢の朝顔が並んでいたのを思い出します。
懐かしい体育館
入学式や卒業式が行われた3階の第二体育館。長男が5年生の時、6年生を送る会で大きな声で発表していたのを思い出して涙が出ます。
荒れ果てた中庭
閉校になって4年。すっかり荒れ果ててしまった中庭。雑草が伸び放題で、当時の面影がありません。苔むした少年の像が痛々しい。
学校のアイドル・ライオン
学校の玄関で雄叫びをあげる子供たちの永遠のアイドル「ライオン」うちの息子たちはよくこのライオンの背中に乗っかって遊んでいました(笑)
学校のシンボル・くすの木
グラウンドの脇に立つ大きなくすの木。昭和31年の校舎全焼の時に焼け残りました。長く子供たちを見守り続けてきた学校のシンボルです。
「ありがとう」感謝のメッセージボード
校舎内の黒板には卒業生からの感謝のメッセージが。お世話になった恩師の名前や「ありがとう」「忘れない」の言葉で溢れています。
直木賞作家と有名俳優も卒業生
メッセージボードの片隅に誰が書いたのか卒業生の名前が。直木賞作家の唯川恵さんと劇団四季出身の鹿賀丈史さんは材木町小学校出身です!
旧材木小学校の歴史
旧材木町小学校の始まりは今から140年以上前の明治初期。この写真は昭和31年以前の校舎で、当時は木造2階建てでした。
当時の校門。よく見ると写真の右端に二宮金次郎の像が立っています。あったと聞いていましたが本当だったんですね!
昭和31年「火事になりました」
昭和31年4月、校舎が全焼。たまたま見学会で会った卒業生が当時のことを教えてくれました。
火元はタバコの不始末。入学したばかりでまだ真新しかった勉強道具が全て灰になったそうです。たまたま神社のお祭りがあった日で、学校が燃えたと聞きショックで泣きながら家に帰ったと話してくれました。
新校舎での授業再開の目処が立つまでの1年間、在校生たちは近隣の小学校へ通うことになって、旧味噌蔵町小や旧瓢箪町小、馬場小などに分散して授業を受けていたそうです。
子供たちは慣れないよその学校でいじめられたり、高学年は離れた学校へ通わなくてはいけなかったりして、大変だった、と教えてくれました。
昭和33年に新校舎完成
昭和33年、新校舎完成。よく見ると校舎の左隣にある体育館が古めかしく見えます。火事の時体育館は焼けずに残って、その後建て替えられました。
ちなみに現在の体育館は取り壊さず、今後も地域の防災の拠点として残されるそうです。
また体育館の一角には学校の思い出の品を展示するスペースが設けられるとのこと。卒業生にとって嬉しい計らいですね。
歴史ある校歌
大正11年の創立50周年に作られた校歌。90年にわたって歌い継がれてきた校歌も、もう歌われることがないと思うと寂しい限りです。
「さようなら」お別れのセレモニー
いよいよ見学会のフィナーレ。グランドに集合して、感謝の気持ちを込め校歌を斉唱。そして静かに校旗が降納されました。
卒業生や先生方も感極まって涙目に。寂しさが一層こみ上げてきます。
【まとめ】自然に恵まれた材木町小学校
昭和初期の浅野川の様子の写真です。左手には卯辰山も見えます。
材木町小学校は街中にありながら自然にも恵まれた環境にありました。息子たちもよく学校の課外授業で浅野川に入って遊んだり、卯辰山へ遠足に行っていました。
形こそなくなってしまいましたが、材木町小学校はいつまでも思い出に残る素晴らしい学校です。そこで息子たちを育ててくれたことに感謝します。
「材木町小学校、ありがとう」
【ちょっとよりみち】農家屋カフェ 観音町店
見学会の後は、恒例のちょっとよりみち。ひがし茶屋街近くの農家屋カフェへ。加賀野菜の五郎島金時のさつまいも農家の直営のカフェです。
いただいたのは「スイートポテトソフトクリーム添え」780円。
さつまいも風味のバウムクーヘンの上に甘みが凝縮されたさつまいもソフトクリーム。そしてかわいい器にふかふか温かいスイートポテトというさつまいもづくし。お芋好きにはたまらないスイーツです。
投稿者プロフィール
- 金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。
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