金沢・寺町の香林寺は願掛けと白い彼岸花の寺|金沢・絶景スポット

英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。

今回は願掛けと白い彼岸花で有名なお寺のリポートです。

寺町寺院群・神照山香林寺(じんしょうざん・こうりんじ)

9月某日、神照山香林寺(じんしょうざん・こうりんじ)に伺いました。

香林寺は金沢市内の寺院が多く密集するエリア「寺町寺院群」にある曹洞宗のお寺です。

慶安4年(1651)加賀藩家老が3代藩主前田利常公に願い出て建てられました。現在の本堂は江戸時代後期に火災に遭った後、再建されたものです。

香林寺は願掛けの寺

元々願掛けの寺として知られる香林寺。御本尊は釈迦如来(仏教の教祖、お釈迦様)そして本堂の左側には不動尊が祀られています。

不動尊は、あらゆる苦しみを持つ人たちに寄り添い、ご利益を与えてくださる仏様です。「不動」と呼ばれるだけあって揺るぎない力を持つと信じられています。

今も昔も不動の力を持つ「お不動さん」にすがる人たちが、願掛けのために訪ねるのがここ香林寺です。

まずは本堂で拝観の受付を済ませ、職員さんに簡単にお寺の歴史と願掛けの方法について説明を受けました。

幸福の道で願掛け

願掛けは本堂裏手にある庭園の「幸福の道」で行います。道沿いには十二支の石像が立っています。

まずは幸福の道を2周して、3周目に自分の干支の像の前で願掛けをします。最後に白不動に手を合わせて終了です。

今庭園では白い彼岸花が満開とのこと。これは絶妙のチャンスです!

幸福の道と満開の白い彼岸花

庭園の幸福の道スタート付近です。色とりどりのタスキがかかったのが十二支の石像です。歩きながら自分の干支を探します。石像を囲むように咲く白い彼岸花が満開です。

彼岸花はなぜ白い?

9月下旬、香林寺の庭園では白い彼岸花が咲くことで有名です。

普段目にする赤い彼岸花と同じ種類で、他の色とかけ合わさって白い色になったそうです。真っ白というよりもクリーム色に近い色です。

彼岸花は種ではなく球根で増えていきます。香林寺ではご住職が球根を植えて増やし、現在約五千本の彼岸花が植っています。

秋のお彼岸の季節になって彼岸花が咲き始めると地元の各メディアが取材するので、白い彼岸花をお目当てにたくさんの拝観客で賑わいます。

この日もカメラを持ったアマチュアカメラマンが熱心にシャッターを切っていました。

満開の彼岸花を愛でる十六羅漢

庭園には十二支の石像の他に十六羅漢の石像が立っています。

十六羅漢とは、仏教の教祖であるお釈迦様の弟子の中でも最も優れた十六人の弟子のことです。

満開の彼岸花に目を細めてくつろいでいるようです。

それぞれユニークな特徴を持つ十六羅漢。空を見上げて疫病退散を願っているのでしょうか?

私の好きな「羅睺羅尊者」(らごらそんじゃ)お釈迦様の息子として生まれ、のちに弟子になったと言われています。

お腹に乗っかっている小さな仏様はお父さんであるお釈迦様。どんな人間の心にも仏は住んでいるというメッセージを伝えています。

干支の前で願掛けを

幸福の道の3周目で自分の干支の前でお願い事をします。すでに願掛けのタスキがたくさんかかっていて、見た目では何の干支なのか確認できないほどです!

ちなみにタスキは本堂の受付で販売しています。お願い事が託されたタスキは年に一回お焚き上げしているそうです。

白不動尊で願掛け終了

干支の前で願掛けが済んだら最後は白不動に手を合わせます。白不動はどんなに陽を浴びても日焼けしないので美肌を祈願する人がいるんだとか!

美しい彼岸花に心も癒され、無事願掛け終了です!

加賀友禅作家・木村雨山(うざん)ゆかりの寺

あまり知られていませんが、香林寺は加賀友禅の巨匠・木村雨山ゆかりの寺でもあります。本堂の一室には雨山の描いた色紙や短冊が多く展示されています。

戦前の約2年間、我が子の病気平癒を祈願しながら雨山はこの部屋に泊まり込み作品を描いていたそうです。

加賀友禅作家初の人間国宝となる

父の願いが通じたのか、その後息子さんの病気は治り、そのお礼として香林寺に作品を残されたそうです。

それから10年後の1955年(昭和30年)雨山は加賀友禅作家として初の人間国宝に登録されました。その後も多くの作品を残し、地元の美術館に収蔵されています。

期間限定御朱印

最後に御朱印をいただきました。中央にお不動さんと曼珠沙華の文字が。期間限定の御朱印です。

【まとめ】願掛けの寺は心のよりどころ

白い彼岸花で有名になる以前から、香林寺は悩める人たちの心の拠り所でした。今もたくさんの人が願いを込めて幸福の道を歩きます。

旅の神様「道祖神」が人生の旅の安全を見守り続けているかのようです。

香林寺へのアクセス

香林寺は妙立寺・通称忍者寺から徒歩1分以内です。

バス:JR金沢駅兼六園口(東口)から8、9番バスで約15分。広小路バス停下車。
又は、金沢駅から市内周遊バスにて広小路バス停下車。

広小路のバス停は2ヶ所ありますが、いずれも徒歩3分ほどです。

名称香林寺
住所〒921-8031 石川県金沢市野町1丁目3−15
電話番号076-241-3905
拝観時間冬季(11月~2月)AM9:00~PM4:30 (3月~10月)AM9:00~PM5:00
休館日法要日、年末
拝観料大人500円、中学生以下400円、団体60名以上400円
駐車場10台 *極楽寺の有料駐車場も利用可

【ちょっとよりみち】さいだ生菓子舗

香林寺へ向かう道すがら見つけた和菓子店「さいだ生菓子舗」通称忍者寺で有名な妙立寺の前にあります。

ご主人は和菓子一筋50年間という生粋の職人さんです。金沢にはこんな小さな和菓子屋さんがいくつもあります。

酒饅頭がイチオシと聞いていたのでいただきました。餡は甘すぎず、皮はもっちり。粒あんにはさらにお餅が入っています。お餅が入った酒饅頭って珍しいですね。

寺町界隈を訪ねる時は立ち寄りたいお店です。

名称さいだ生菓子舗
住所〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目6−51
電話番号+81762424631

投稿者プロフィール

fumie
金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。

この記事を書いた人

fumie

金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。