金沢・浅野川周辺の夜景スポットをご紹介!|金沢・観光スポット

英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。

今回は金沢を流れる川、浅野川で美しい夜景が楽しめるスポットをご案内します。

金沢・浅野川 通称「女川」

ひがし茶屋街近くを流れる川、浅野川は、その穏やかな流れから通称「女川」、同様に金沢市内を流れるもう一つの川、犀川は川幅が広く、男性的であることから「男川」と呼ばれています。

春の桜の季節には近所の友達を誘って満開の桜の下でお花見をするのが毎年の楽しみです!

浅野川の4つの橋

浅野川には風情のある4つの橋が架けられています。上流から、天神橋、梅の橋、浅野川大橋、中の橋です。

2017年春にこの4つの橋のライトアップが完成しました。

街の雰囲気にマッチしたライトアップのおかげで、金沢のナイトライフがさらに魅力的になりました。

ライトアップをデザインしたのは金沢城公園・河北門・いもり堀の手掛けた照明デザイナー近田玲子氏。代表作は今はもう焼失してしまいましたが、沖縄の首里城があります。

今回はそれぞれの橋の歴史やストーリーも交えてご紹介いたします!

【天神橋】泉鏡花作品の舞台になった橋

天神橋は泉鏡花の小説「義血侠血」(ぎきょうぎけつ)でヒロインが愛する人と再会するシーンの舞台です。

もちろん今の鉄骨造りより以前のこと。小説の挿絵には木の橋に立つ二人のシーンが描かれています。きっと再会の場にふさわしいロケーションだったのでしょうね。

【天神橋】暗闇に浮かぶ暖かい灯

江戸から明治にかけて、天神橋は川の氾濫で何度も流されています。

昭和28年、再び川が大氾濫を起こし、ほとんどの橋が流されてしまいました。

その後新しく架け替えられたのが今の鉄骨造りアーチ型の頑丈な橋です。

橋のたもとに立つBARから臨む景色も素敵です。暗闇に浮かぶ柔らかな灯りが周りの景色に溶け込んで、どこかあたたかい気持ちにさせられます。

【梅の橋】有志が架けた橋

梅の橋は、明治の終わり頃、地元の有志が資金を出し合って架けられました。外見は昔ながらの趣きのある木の橋です。

川向こうに住んでいる者にとって、この橋のお陰で街への移動がとても便利です。

昭和28年の大水害で流されてから25年間、橋は架けられることがありませんでしたが、昭和53年になってようやく復元されました。

実は当時NHKが新・梅の橋を取材した番組を放送した時、我が家の先代のおばあちゃんが地元民代表として出演しています。

戦後、まだ橋が架かっていた頃、夏はよく夕涼みしたとか、川で洗濯したとか、当時を振り返っていたそうです。

今も我が家では梅の橋の話になると必ずおばあちゃんが登場します(笑)

【梅の橋】クールビューティー!

橋の高欄(橋や縁側の端に設ける柵)のライトがクールで上品な雰囲気です。

夜飲んで帰宅する時に渡ると、何故か一瞬酔いが覚めます(笑)

ライトが当たっていない橋の中央を歩くとなんだかこの世でない場所にいるような気分になります。おそらく飲み過ぎでしょう(笑)

梅の橋を挟んでひがし茶屋街側の通りを「秋聲のみち」向こう岸を「鏡花のみち」と名付けられました。

浅野川周辺とゆかりのある徳田秋聲と泉鏡花はいずれも金沢を代表する文豪です。

【浅野川大橋】加賀藩祖前田利家が架けた橋

浅野川大橋は4つの橋で一番長い歴史を持つ橋です。

初代架けられたのは16世紀後半、加賀藩祖前田利家が北国街道を整備した時と言われています。

江戸時代、金沢城を出発してこの橋を渡り参勤交代の旅に出たわけですね。当時の旅人の気持ちに思いを馳せてしまいます。

【浅野川大橋】路面電車も走った橋

浅野川大橋も川の氾濫で何度も流され、今の鉄筋コンクリート造りになったのは大正時代になってから。当時新しく架け替えられた橋の上を路面電車が走ったそうです。

その当時のことを先代のおじいちゃんから聞いたことがあります。昭和の初めから昭和40年代まで、浅野川大橋のある橋場町からJR金沢駅の次の停車駅の東金沢駅までの区間を走っていたそうです。

そして人気観光スポット・ひがし茶屋街はこの橋を渡った先にあります。今も昔も欠かせない橋なんですね。

【中の橋】主計街(かずえまち)茶屋街のシンボル

4つの橋の中で一番下流に架かる橋、中の橋は金沢三茶屋のひとつ「主計街(かずえまち)茶屋街」に近くにあります。

ひとつ前の浅野川大橋ともうひとつ下流にある「小橋」の真ん中にあるため「中の橋」と呼ばれるようになったそうです。

【中の橋】「一文橋」と呼ばれた橋

元は「一文橋」(いちもんきょう)と呼ばれていた中の橋。

当時の様子が、文豪・泉鏡花の小説「化鳥」(けちょう)で描かれています。橋番(橋の通行料をとる仕事)をして生計を立てる母子の物語です。ちなみに一文は今のお金でいうと20円ちょっとです。

浅野川周辺を歩くと泉鏡花ゆかりのロケーションが多いことに気付きます。鏡花は故郷をモチーフした作品をいくつも世に出しています。

金沢に住んでいながら郷土作家の小説が読めていないのがずっと気になっています(汗)今年こそ鏡花の本にチャレンジしてみたいと思います。

【まとめ】夜のそぞろ歩きにおすすめ

さて歴史とストーリを絡ませながら夜景が楽しめる4つの橋をご案内いたしました。

もちろん日中に訪れても良いのですが、昼間とは違うしっとりとした大人の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

近隣には飲食店もありますので、酔いを覚ましながら橋を渡ってみてもいいですね。

もしかしたら酔っ払いの私とすれ違うかもしれません(笑)

投稿者プロフィール

fumie
金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。

この記事を書いた人

fumie

金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。