加賀本多博物館は城下町金沢のサムライ・ミュージアム｜金沢・観光スポット

英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。

加賀百万石といえば、前田利家を初代とする加賀藩・前田家で知られています。

当時、加賀藩を支えた加賀藩士達の中でも、一国を治める大名ほどの力を持った重臣がいました。

そのうちのひとつが、加賀本多家です。

加賀藩の重臣が、代々受け継いできた数多くの所蔵品を展示する、加賀本多博物館を訪れました。

【加賀本多博物館】本多家は加賀藩重臣『八家』の筆頭

「加賀百万石」と称される加賀藩前田家には多くの藩士が仕えていましたが、そのなかでも最上級の藩士が８家ありました。

彼らは１万石以上の禄高を与えられた大名クラスの重臣で「八家（はっか）」と呼ばれ、藩内では家老よりも上位となる年寄役を務めて政務を統括します

（中略）

加賀本多家はこの「八家」のうちの１つですが、そのなかでも最高の禄高５万石を与えられています。

加賀本多博物館　ウェブサイトより

加賀本多家は、前田家の家臣でありながら、大名クラスの待遇を受けていたんですね。

その初代はどんな人だったのでしょう。

加賀本多家初代の歴史

加賀本多家の初代は、徳川家康の重臣・本多正信の次男、本多政重（まさしげ）です。

彼は当初、徳川家に仕えましたが、その後、様々な大名家を渡り歩くことになります。

慶長５年（1600）の関ヶ原の戦いには宇喜多秀家の家臣として参加し、西軍で活躍しました。

また、慶長９年（1604）には上杉景勝の執政・直江兼続の養子となり、上杉家に仕えます。

さらにその後、慶長16年（1611）には加賀藩前田家へ仕えることとなり、それ以降、初期加賀藩政を支える重要な役割を果たしました。

加賀本多博物館　ウェブサイトより

前田家に支えるまでに、初代はあちこちを転々としていたようです。

現代のビジネスマンにも通じるところがありますね。

初代以降、歴代当主は加賀藩の政治に重要な役割を果たしてきました。

前田家の姫君の御輿入れもあったことから、両家の間に濃い繋がりを感じます。

城下町金沢のサムライ・ミュージアム

ちなみに、博物館の館長は、本多政光さん。加賀本多家の15代当主です。

先祖代々受け継がれた品々を、次の世代に残すべく、大切に守っていらっしゃいます。

加賀本多博物館の収蔵品は約2000点。

甲冑、刀剣、調度品など、とても保存状態が良く、当時の武家文化をうかがい知る貴重な資料ばかり。

中でも、徳川家4代の補佐役・保科正之による書状は大変珍しいもので、現存しているうちの数通が、ここ加賀本多博物館に収蔵されているそうです。

まさに城下町金沢のサムライ・ミュージアム。

海外からのお客様も多いというのもうなづけます。

年数回の特別展は見応えあり

加賀本多博物館は、常設展のほか、年に数回、特別展も行っています。

たくさんの収蔵品があるので、毎回見応えがあります。

常設展は、一部写真撮影も可能です。

加賀本多博物館で、加賀百万石のサムライの文化に触れてみてはいかがでしょうか。

旧陸軍兵器庫の赤レンガミュージアム

加賀本多博物館は、石川県立歴史博物館と合わせて、いしかわ赤レンガミュージアム内にあります。

旧陸軍兵器庫を再生した赤レンガ造りの建物です。

兵器庫が建てられる前は、本多家の上屋敷が立っていました。

さまざまな歴史背景を感じられるスポットです。

加賀本多博物館へのアクセス

加賀本多博物館が入っている赤レンガミュージアムは、2020年にオープンした国立工芸館のお隣です。

このエリアは、本多の森公園として、美術館や博物館などの文化施設が集まっています。

兼六園から歩いてすぐです。

名称	加賀本多博物館
住所	〒920-0963 石川県金沢市出羽町3-1
電話番号	076-261-0500
開館時間	午前9時～午後5時（入館は午後４時３０分まで）
休館日	12月～2月の毎週木曜日、年末年始（12月29日～1月3日）、資料の展示替え・整理の期間
観覧料	個人　一般400円　大学生300円　＊高校生以下は無料 団体　20名以上は団体料金　一般350円　大学生250円 ２館共通観覧料　一般500円　大学生400円　＊高校生以下は無料
ウェブサイト	http://honda-museum.jp