金沢独特の風習「七つ橋渡り」にチャレンジ!リサーチ編|金沢・風習

英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。

さて今回は金沢に古くから伝わる習わし「七つ橋渡り」リポートの前半、リサーチ編です。

金沢の不思議な風習・七つ橋渡り

金沢では春と秋の彼岸の中日(春分の日と秋分の日)金沢市内を流れる川、浅野川に架かる七つの橋を歩いて渡る「七つ橋渡り」という風習があります。

この風習にはいくつかの守り事があります。

  • 彼岸の中日の午前0時以降、日が明ける前に行なう。
  • 数珠を携帯する。
  • 新しい白い下着を身につけて歩く。
  • 7つの橋を一筆書きのように歩く。同じ道を歩かない。決して戻ったりせず後ろも振り返らない。
  • 7つの橋を渡り終わるまで決して誰とも話してはいけない。
  • 下着は七日間毎日洗った後、紙に包んで紅白の水引をかけてタンスの奥にしまっておく。

そもそも七つ橋渡りは無病息災を願って始められたらしく、新しい下着履いて歩くのは、歳をとってから下の世話にならないように、との願いからのようです。

また一説には三途の川に架かる橋に見立てた、あの世への旅のシミュレーションという考え方もあります。

地元の公民館行事にもなっている七つ橋渡りは、地元のウォーキングイベントにもなっています。

七つ橋渡りにチャレンジ!

同居のお義母さんに聞くと「やったことあるけど昔々のことで忘れた」とのこと。

来年で齢90を迎えますが、今のところ、願掛けは利いているようです(笑)

そんなお義母さんにあやかり、満を辞して私も七つ橋渡りデビューをすることになりました!(ぱちぱち)

ひとまず日課の散歩を兼ねて七つの橋のリサーチに行ってきました。

【No.1・スタート地点】常盤橋(ときわばし)

9月某日、まだ薄暗い早朝6時。スタート地点の常盤橋です。基本的にどちらの岸から歩き始めても良いようですが、絶対に同じ道を戻ってはいけません。

橋の目印はたもとに立つ鮴(ごり)専門の料亭。ですがずいぶん前に閉店してしまったようです。

さぁ、いよいよ七つ橋渡りウォーキング、スタート!川沿いをてくてく歩きます。

【No.2】天神橋(てんじんばし)

二つめの橋、天神橋に着きました。大きなアーチ型の橋です。

ちょうど卯辰山(うたつやま)の入り口にあって、山側には小さな公衆トイレと屋根付きの休憩スペースがあります。今朝も元気なシニアの皆さんが集まって朝活です!

夜は天神橋からこの先の中の橋まで、四つの橋がそれぞれライトアップされています。

本番では柔らかい灯が心を癒してくれそうです。

【No.3】梅の橋(うめのはし)

三つ目の橋、梅の橋は昔ながらの雰囲気が漂う風情のある橋です。

卯辰山側の橋のたもとには金沢の三文豪の徳田秋聲記念館が。

向こう岸にはマンションが並んでいます。金沢市の条例で卯辰山側に高い建物を建てることができません。

浅野川がまるで二つの世界の境界線になっているようです。

【No.4】浅野川大橋(あさのがわおおはし)

浅野川大橋は七つの橋の中で一番大きな橋です。歴史は藩政期前に遡ります。

ひがし茶屋街側には交番が、反対側には復元された火の見櫓があります。

卯辰山から少しづつ朝陽が昇ってきました。

【No.5】中の橋(なかのはし)

五つ目の橋、中の橋。金沢の三茶屋のひとつ、主計街(かずえまち)茶屋街の近くです。

泉鏡花の小説の舞台になったことでも知られています。幻想的な作品を残した鏡花。

もしかしたらお彼岸の深夜、不思議な出来事が起きるかもしれません(笑)

【No.6】小橋(こばし)

六つ目の橋、小橋。橋のたもとにはカフェ、道を挟んでうどん・釜飯屋さん、少し入ったところには有名な飴屋さんもあります。

とうとう六つ目まできました!ゴールまであとひとつです!

【注意】彦三大橋(ひこそおおはし)はノーカウント

小橋を過ぎ程なくして彦三大橋が見えますが、こちらは七つ橋にカウントされていませんのでご注意ください。

余談ですが橋のたもとに立つ洋菓子店の五郎島金時のさつまいもを使ったスイートポテトが最高に美味です(笑)

【No.7・ゴール地点】昌永橋(しょうえいばし)

閑静な住宅街を歩き、ゴール地点に到着!常盤橋をスタートして約50分。すっかり陽も高くなりました。

中にはこの後近くのお寺まで行って手を合わせる人もいるそうです。

これで無事七つ橋リサーチ終了です!

後編をお楽しみに!

さて無事コース確認を済ませ、秋の彼岸の中日(2020年9月22日)を待つばかりです。

後半の本番編に続きます!どうぞお楽しみに!

【新コーナー】【ちょっとよりみち】なかざき菓子店

新コーナー「ちょっとよりみち」ではぶらぶら寄り道して出会った素敵なお店を紹介します。今回はリサーチ中偶然見つけた「なかざき菓子店」

昌永橋近く、創業60年、現在は3代目が切り盛りする和菓子屋さんです。

店頭の「おはぎ」の文字が気になりつい(笑)やはりお彼岸といえばおはぎですよね!

帰宅して早速仏壇にお供えしました。お彼岸と聞くと無性におはぎが食べたくなるのは私だけでしょうか?(笑)

春は「ぼたもち」秋は「おはぎ」同じものなのに呼び方が変わるのは、四季折々の自然に恵まれている日本ならではですね。

名称なかざき菓子店
住所〒920-0845 石川県金沢市瓢箪町12−45
電話番号076-2215554
営業時間8:00 – 18:00
定休日日曜日、水曜日
ウェブサイトhttps://namagashi.storeinfo.jp

投稿者プロフィール

fumie
金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。

この記事を書いた人

fumie

金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。