金沢 ひがし茶屋街近くで絶景が望める宝泉寺は護摩行者の護る寺|金沢・観光スポット

英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。

金沢の人気観光スポット・ひがし茶屋街周辺には、卯辰山山麓寺院群といういくつもの小さなお寺が密集しているエリアがあります。

その中で知るひとぞ知る金沢の絶景スポット・宝泉寺(ほうせんじ)をご紹介します。

宇多須神社横の急坂を上って宝泉寺へ

ひがし茶屋街の裏通りから卯辰山方向に歩くと、宇多須神社が見えます。

宝泉寺は神社横の急な坂道・子来坂(こらいさか)を上ったところにあります。

坂の途中で道が二手に分かれます。宝泉寺へは右手の道を進みます。

ここでかなり息が上がってきました。お寺までもう少しです!

文豪 泉鏡花も見た浅野川を望む絶景

日頃の運動不足を後悔しながら、ようやくお寺の境内に到着!

弾む息を整えて、卯辰山中腹の崖の上から、絶景を望みます。

12月の金沢とは思えない快晴の空の下、広がる浅野川周辺が見渡せます。

金沢の三文豪のひとり・泉鏡花が小説「町双六」の中で、宝泉寺へ行き、この景色を見た、というシーンを描いています。

ここからは見えませんが、マンション群と山側の住宅地の間には、浅野川が流れています。写真右側に小さく浅野川大橋も見えます。

金沢市の条例で、山側に高い建物を建てることはできません。住宅の屋根瓦も黒と決まっています。

黒瓦が艶を放って美しい!なんと贅沢な景色でしょう。あの急坂を上ってきた甲斐がありました!

さて、この絶景スポットのある宝泉寺とは一体どんなお寺なのでしょう?

摩利支天山 宝泉寺は加賀藩ゆかりの寺

摩利支天山(まりしてんざん)宝泉寺は、高野山真言宗のお寺。

17世紀初め、加賀藩主前田利長の命で建てられた前田家ゆかりのお寺です。

金沢城から鬼門(北東)にあたるため、信仰でお城を守護する役割をしていました。

山号の「摩利支天」は、武士の間では「戦いの神」として崇められてきました。前田家初代・前田利家も兜の中に摩利支天の絵を忍ばせて戦いに挑んだと伝わっています。

ここ宝泉寺は、日本三摩利支天の一つとされています。

泉鏡花作「五本松」恐ろしい魔物が住むという伝説

境内にはひときわ大きくて立派な松の木が。木にはしめ縄が張ってあるので、どうもこれは御神木のようです。

立て札には「五本松」とあります。宝泉寺は通称「五本松」と呼ばれていますので、お寺にとってはきっと大切な木なんでしょうね。

近くでよく見ると何本かの松の木が密着しているように見えます。5本の木がくっついたことが名前の由来のようですね。

実はこの五本松をモチーフにした物語があります。泉鏡花が残した「五本松」という短編小説です。

昔から魔物が住むと言われる五本松で、若者たちがバカ騒ぎをしたところ、バチがあたって恐ろしい目にあったというお話です。

現在立つ松は3代目だそうで、昔は遠くからでもこの松がよく見えたのだとか。きっと昔の人は、怖いものを見るようにこの松を眺めていたのかもしれません。

宝泉寺を護る御住職 辻 雅栄さん

そんな伝説の残るお寺・宝泉寺さんのご住職は、辻雅栄(がえい)さん。辻さんとはご縁があり、御堂にお邪魔さていただきました。

生まれも育ちも高野山。縁あって1995年(平成7年)から宝泉寺のご住職をされています。

「今日はお札書く日なんでね」と墨を擦りながら語る辻さん。金沢に移住して四半世紀経つのに今だに関西弁(笑)

毎朝欠かすことのない護摩修行

密教に属する真言宗は、護摩を焚いて御祈祷をします。

見れば御堂は煤だらけ。ここは火災現場?と突っ込みたくなるくらい半端ない煤加減です!

信徒さんの心のこもった護摩木

これは日課の護摩修行に必要な護摩木。ここ宝泉寺で使う護摩木は全て手作りです。

人間の煩悩の数に因んで、108本の護摩木が一つに束ねられています。

2020年秋には、護摩木を保管する護摩木小屋が完成。これも信徒さんのお力のおかげと語る辻さん。

摩利支天 金沢宝泉寺 ホームページより

辻さんはこの護摩修行を、金沢へやってきた翌日から毎朝欠かさず続けてきたそうです。

時には三週間に渡って護摩修行をされることも。体重が一気に10キロ以上減るのだとか。長時間燃え盛る炎の前に座る続けるため、火傷を負いながらの過酷な修行です。

御堂の正面に掲げられた「永代日護摩修行」

一生死ぬまで護摩修行を続けます、という修行者・辻さんの覚悟が現れた言葉です。

ちょうど取材が終わったところで、私のお友達で語りのパフォーマー・荒木明日子さんとばったり。動画撮影中の明日子さんたちに囲まれ、びっくり仰天の辻さん(笑)

とはいえ、初対面の人とも気さくに楽しくおしゃべり。辻さんの温かいお人柄に触れた瞬間でした。

摩利支天山 宝泉寺までのアクセス

ひがし茶屋街から宇多須神社へ。神社横の急坂「子来坂」を上がって右手の道をさらに上がっていきます。

掲示板右手の石段を上がり、石像の道をさらに奥に行くと左手に御堂。突き当たりの崖上から浅野川周辺の景色が望めます。

名称摩利支天山 宝泉寺
住所〒920-0836 金沢市子来町5
電話番号076-252-3319
アクセス城下まち金沢周遊バス・北陸鉄道路線バス・西日本JRバス「橋場町」バス停から
徒歩約10分
御朱印あり
ウェブサイトhttps://gohonmatsu.or.jp
その他毎月1日は縁日(護摩と法話の会)御祈祷は直接お問い合わせください。

投稿者プロフィール

fumie
金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。

この記事を書いた人

fumie

金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。