金沢独特の慣習「七つ橋渡り」にチャレンジ!本番編|金沢・風習

英語のスペシャリスト・金沢在住の通訳案内士のfumieです。

さて今回は金沢に伝わるユニークな風習「七つ橋渡り」リポートの後半、本番編です。

前半のリサーチ編はこちらをご覧ください。

【おさらい】七つ橋渡りとは?

金沢では春と秋の彼岸の中日(春分の日と秋分の日)に金沢市内を流れる浅野川に架かる七つの橋を歩いて渡る「七つ橋渡り」という変わった風習があります。

この風習にはいくつかのルールがあります。

  • 彼岸の中日の午前0時以降、日が明ける前に行なう。
  • 数珠を携帯する。
  • 新しい白い下着を身につけて歩く。
  • 7つの橋を一筆書きのように歩く。同じ道を歩かない。決して戻ったりせず後ろも振り返らない。
  • 7つの橋を渡り終わるまで決して誰とも話してはいけない。
  • 下着は七日間毎日洗った後、紙に包んで紅白の水引をかけてタンスの奥にしまっておく。

明治の頃、無病息災を願って浅野川界隈の女性達によって始められたと言われています。下着履いて歩くのは、歳をとってから下の世話にならないように、との願いからのようです。

七つ橋渡りは公民館行事として地元恒例のウォーキングイベントにもなっています。

この度地元に根付く風習に習い、私も七つ橋渡りデビューをすることとなりました!

いよいよ本番当日の夜

2020年9月21日、お彼岸の中日前夜。

いよいよ「七つ橋渡り」の本番当日がやってまいりました。

出発前に必要なアイテムをチェックです。

  • 数珠
  • 歩きやすいウォーキングシューズ
  • 新品の下着(当時履いていく・近江町市場の某洋装品店で買ったグンゼのパン◯)
  • 防寒に暖かい服装(川風が冷たいので)

おろしたてのパン○も履き、上着のポケットに数珠を入れて、準備万端整いました。さていよいよスタート地点へ出発です。

【スタート地点・No.1】常盤橋(ときわばし)七つ橋渡りに出発!

23時50分、「今日で間違いないよね・・・誰もいなかったりして・・・」そんな不安を抱えながらスタート地点の常盤橋に到着。

あれ?向こう岸に誰かいる!よかった!今日で間違ってなかった!(笑)

参加者は私を含めて男性一名、女性二名の計3名。

スマートウォッチでカウントダウン。

23時55分・・・57分 ・・・ 59分30秒・・・

24時00分!いよいよ七つ橋渡りスタートです!

【No.2】天神橋(てんじんばし)数珠を手に合掌

真夜中とあって人通りも車通りもほとんどなく、ライトアップされた天神橋がより明るく感じます。

川からの風が冷たく身体が冷えそうだったので、歩くペースを上げます。

ポケットから数珠を取り出して、橋の渡り始めと終わりに手を合わせます。後ろを振り返ってはいけないので自然と川に向かって合掌です。

【No.3】梅の橋(うめのはし)物の怪の気配を感じる卯辰山

夜になると高い建物がない山側は真っ暗。泉鏡花の小説で卯辰山のお寺に天狗が住んでいるという物語がありますが、なんだか本当にそうな気がしてきました・・・。

【No.4】浅野川大橋(あさのがわおおはし)ひとりぼっちは心細い

行程のほぼ半分を通過。いろんなことが頭をよぎって橋の渡り際につい手を合わせるのを忘れてしまいます。

真夜中のひとり歩きはやはり心細いです。女性はひとりではない方が良いかと思われます。

【No.5】中の橋(なかのはし)睡魔との戦い

中の橋まで来るとあともう少し。ますます早歩きに。あくびが出てきた。早くゴールして寝たい。

【No.6】小橋(こばし)ひたすら黙々と歩く、修行

数珠を握り締め、ただひたすら黙々と歩く。これはもはや修行です。

ゴールまであと橋ひとつ。がんばれ、じぶん。

【ゴール地点・No.7】昌永橋(しょうえいばし)見えないゴールテープを切る

鎮まりかえった住宅街を抜け、真夜中の橋の真ん中を歩いてゴール地点に到着。心の中で静かにゴールテープを切ります。

ゴールすることばかりに気を取られて、すっかり帰ることを忘れていました。「またここから歩いて帰るのかー」はい、家に帰るまでが修行です。

【まとめ】七つ橋渡りは感謝の修行

帰路を歩きながら、こうやって元気に動ける体力と気力があることはありがたいことだと感じました。私にとっては願掛けと同時に、健康のありがたさに気付くための「感謝の修行」になりました。

ちなみに当日履いたパン○は履かずに7日間毎日洗った後、紙に包んで水引をかけてタンスに保管します。自分が死んだ時に棺に入れてもらうそうです。

もしかしてこのパン○はウォーキング大会でもらう「完歩証」のようなものなのかも?あの世でこの「完歩証」が役に立てばいいのですが(笑)

後で知ったことですが地元でもこの風習を知る人は少ないようです。明治に始まったこの不思議な習わしが、新しい時代・令和へ受け継がれていくことを願います。

投稿者プロフィール

fumie
金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。

この記事を書いた人

fumie

金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC950点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。