王家の谷をあとにして向かったのは、
断崖絶壁を背にして建つ ハトシェプスト女王葬祭殿。
ビジターセンターから“トクトク”に乗って移動。
乾いた風の中、あの独特のシルエットが見えてきた瞬間、思わず息をのむ。
みどころ1 まるで現代建築のようなデザイン ハトシェプスト女王葬祭殿

この神殿を建てたのは、
第18王朝・古代エジプト唯一の女性ファラオ、
ハトシェプスト。
三層構造のテラスが、中央のスロープで一直線につながる設計。
余計な装飾をそぎ落とした直線美は、
「これが紀元前?」と疑うほどモダン。
1階部分はかつては、東アフリカのプント国との交易で持ち帰った植物が植えられていた。

2階にはハトホル神とアヌビス神の礼拝堂。
ハトホル柱の、やわらかな女神の顔が印象的。
頭上には楽器シストルムがかたどられている。

3階奥には至聖所。
父トトメス1世、そしてアメン神に捧げられた神聖な空間。
中庭に並ぶオシリス神柱は、男装し顎ひげをつけたハトシェプストの姿ともいわれている。

彼女が神アモン・ラーの娘として生まれたことを示す「誕生殿」の壁画も残る。
牛の乳を飲んでいるのは、女王自身。
そして、あちこちに残る“削り取られた跡”。
甥であり共同統治者だったトトメス3世が、
彼女の存在を歴史から消そうとした痕跡。

鮮やかな色彩が今も残るレリーフと、
無残に削られた名前。
その対比が、とても生々しかった。
みどころ2 「歌う石像」メムノンの巨像

さとうきび畑の広がる平原に、ぽつんと立つ二体の巨像。
メムノンの巨像。
これは第18王朝のファラオ、
アメンホテプ3世の葬祭殿の入口に立っていたもの。
かつて背後にはエジプト最大級の葬祭殿があったけれど、
洪水や地震、石材の持ち出しによって、
今は巨像だけが残っている。
高さ約18m、重さ約720トン。
単一の石塊から削り出されているというから驚き。
北側の像は、かつて地震の亀裂から朝に音を発した。
それを人々は「暁の女神エオスに挨拶するメムノンの声」と信じ、
“歌う石像”として崇めた。
でもあの静けさの中に立つと、
確かに何かが響いている気がする。

さてさて船に戻ってランチ。
4泊したけれど、毎回違う料理が出てくる。
もっとスパイスが強いかと思っていたけれど、
意外にも日本人の口に合う味付け。
しかも宗教上豚を使ってない。
私はお腹を壊すのが心配で、
レトルトのおかゆやスナックを忍ばせてきていたけれど、
今のところ出番なし。
ちょっと安心。
みどころ3 ナイル川の風物詩

時からはデッキでお茶会。
ナイルの風にあたりながらのんびりしていると、
突然下からにぎやかな声。
小さなボートに乗った若者たちが、
船上パーティー用の衣装やスカーフを投げ込んでくる。
そのコントロール、見事!
さらに私たちが部屋に戻ると
「ハロハロー!」と窓の近くまでやってきて、
袋ごと放り投げる(笑)
Sさんが持ってきた緑茶のペットボトルを渡して、
無事(?)お引き取りいただいた。
エジプト人のエネルギーがすごい!
みどころ4 ナイルの夕暮れは長い

太陽はひとつなのに、
ここで見る太陽はやけに大きい。
さっき出会った若者たちの勢いもあってか、
この土地の生命力を強く感じる。
夕日をみながらSさんと次の旅のプランの相談。
旅は1日も若い時に行きたい。
夕日が見えなくなっても
なかなか日は暮れない。
旅に行くと決めてから今日まで振り返る時間。

夕食後はラウンジでカクテルパーティー。
「お酒を飲まない人が作ると、とんでもなく強いことがあるので注意」と添乗員さん。
こうしてルクソールの夜は、静かに更けていく。
明日は早朝4時起き。
船からエスナ閘門の見学へ。
vol.5につづく
投稿者プロフィール
- 金沢生まれほぼほぼ金沢育ち。28年間英会話講師を務め、長年の夢だった全国通訳案内士の資格を取得。金沢を訪れる海外からの旅行者をアテンドしています。趣味は、英語学習。留学経験なしの「純ジャパ」で英検1級、TOEIC970点を取得した経験を生かして英語学習者に役立つ情報とガイドの仕事で得た地元・金沢の情報とその魅力を紹介していきます。
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